透過用 ATS のビルド

ほとんどのケースでは、環境が透過性をサポートしていれば configure が自動的にそれを有効化します。そうでない環境では configure のオプションをいじる必要があるでしょう。

--enable-posix-cap
これは透過性で必要とされる POSIX ケーパビリティを有効化します。これらはデフォルトで自動的にコンパイルされます。システムを確認するために、ヘッダーファイル sys/capability.h とシステムライブラリ libcap を探します。これらはそれぞれ libcaplibcap-devel または libcap-dev ( ディストリビューションに依ります ) パッケージ内にあります。
--enable-tproxy[=value]
透過で使用される Linux カーネルの機能である TPROXY サポートを有効化します。これは基本的なインストールに含まれているはずであり、これに紐付くパッケージはありません。* auto TPROXY ヘッダーファイル (linux/in.h) を自動的に確認し、IP_TRANSPARENT の定義が存在する場合は TPROXY サポートを有効化します。これはこのオプションが指定されていないか value が省略された場合のデフォルトです。* no TPROXY サポートを確認せず、そのサポートを無効化します。* force TPROXY サポートを確認せず、IP_TRANSPARENT のための $ats@ 組み込みの値を使用して有効化します。これはカーネルにはあるものの何らかの理由で適切なシステムヘッダーファイルを持っていないシステムの場合に便利です。* number TPROXY サポートを確認せず、 numberIP_TRANSPARENT の値として使用します。いまのところ、TPROXY をサポートしていて ATS 組み込みのデフォルトと異なる値を使用することが知られている標準的なディストリビューションはありません。しかし、カスタムビルドのカーネルはそうしているかも知れず、その場合には特定の値が指定できます。

デフォルトでは、ATS の設定はヘッダーファイル linux/in.h の存在により TPROXY の対応を自動的に確認し、それが有効なら TPROXY 対応でコンパイルします。これが失敗した場合は、たぶん上記のオプションのどれか一つを使うことで回復可能です。透過性はデフォルトでビルドされることがありますが、ATS の設定ファイルで明示的に有効化しない限り動作しないことに注意してください。